工場抵当法は、工場を担保として利用する方法として、二つの方法を規定している。その一つは、狭義の工場抵当といわれ、抵当権の効力の及ぶ範囲を民法370条の規定より拡大して、工場の土地・建物に「備附ケタル機械、器具其ノ他工場ノ用二供スル物」に抵当権の効力を及ぶこととしたものである(工場抵当法2条)。抵当権設定登記にあたり、抵当権の目的となる機械器具の目録(通常「3条目録」と称される)の提出が必要とされる(同法:1条。
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なお、備付機械器具がたとえ第三者の手に渡っても、第三者が即時取得をしない限りは、抵当権が及んでいるので(同法5条)、土地・建物等と一体として換価の対象となる。他の一つは、工場財団抵当であり、各不動産は工場財団を組成し、財団は一つの不動産とみなされる(工場抵当法14条1項)。工場財団の組成物件、すなわち工場に属する土地、建物などの工作物、機械、器具、電柱、電線、工業所有権などが一体になって抵当権の効力か及ぶ対象となるのである(同法11条)。工場財団は.所有権保存登記をすることにより組成され(同法9条)、工場財団に対する抵当権は、工場財団登記簿に抵当権設定登記をすることにより、抵当権の対抗力が認められる。また、工場財団抵当権の実行の場合の物件目録には、工場の名称および位置、主たる営業所、営業の種類によって工場財団を特定して記載するほか、工場財団目録(財団の個々の組成物件が記載されている)をも添付する。なお、工場財団を申立てによって個々のものとして競売することもできるが(同法16条)、その意味は、単に売却の方法を規定したものであって、個々的にそれぞれ各別の競売中立書を提出して競売申立てができるということではない。